正気でないオタクのsims4

- sims4(PC版)のデフォシムやオリシムを愛でる正気でないプレイヤーの記録的な何か -

[ バチェロレッテ:白雪 ] 幸せになったお兄様 [ 0日目 ]

白雪編のプロローグです。


バチェラーである忍とその伴侶が登場いたします。
ネタバレとなりますので未読の方はこちらからどうぞ ➩ 6割オカルトシムのバチェラーへ、ようこそ! [ 1日目 ] 


いつもの如くちょっとした小説モドキでSSも挿絵程度です。
お暇な時にでもご覧下さいませ。


※使用させていただいたposeは 新生まるきぶねスローライフ 様 よりお借りしております。



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 人前で──わたししか他にはいないけれど、人の気も知らずに、いちゃいちゃいちゃいちゃと……!



 今年、数えで19歳になった白雪は、最近結婚した父方の従兄である忍の新居を訪ねてきていた。


 残念ながら白雪の耳には入らなかったが、どうやらバチェラーというもので相手と出会い、心を通わせたらしい。
 それは『運命』的なものだっだと聞いて、あの魔女(元婚約者)のせいで塞いでいたお兄様が元気になられたのだと、少し──いや、随分と痛んだ胸を押し殺して白雪も喜んでいた。


 毎夜、小さい頃からの夢が苛むが、これだけは嘘ではない。
 白雪の大好きなお兄様が絵本に出てくる王子様ではないと、片田舎で頭を冷やしてやっと気付いたから、嘘ではなかった。



 しかし、これは乙女な白雪の目に余る。



「っお兄様! そのお姿は見苦s……ごほんっ、少々ゆるんで見えますのでおやめくださいっ!」


 最近忍の執事となった西郷から応接間に案内された白雪は開口一番、ソファに座った忍に向けて苦言を呈した。新婚とは知っているが、ここまでべったりなものなのか。


 混乱しつつも手前の椅子へと腰を下ろした白雪をよそに、忍にしなだれ掛かる白髪の美女の方が先に口を開く。



「ここは忍くんと私のお城よ。誰か知らないけれど、私たちの邪魔をしないで」
「貴女に言ってませんっ」


 初対面から険悪な2人に、言葉の応酬を見守っていた忍は困ったように頬を掻いた。


「まぁまぁ、落ち着いて。プリムも、彼女は従妹の──」
「私の前で、私以外の名前を呼ぶの?」


 プリムヴェールに鋭く睨め付けられて、すぐさま忍は押し黙った。プリムヴェールは唇を尖らせおもむろに額を指さしている。



 白雪は何のやり取りか分からず呆けていると、忍が小さく笑い──プリムヴェールの額に口付けた。


「ちょっと……! 人前ですよっ!!!」



「私たちは夫婦なのよ? この程度で恥ずかしがることかしら」


 再び真っ赤にさせた顔を両手で隠した白雪に、プリムヴェールは勝ち誇って小さく鼻を鳴らす。


 従妹だからと忍に構ってもらっていたようだが、もう忍の隣はプリムヴェールだけのものだ。
 これから先も、未来永劫、ずっと──誰にも渡さない。



 自信に満ち溢れた物言いに白雪は唇を引き結んだ。白雪では叶わなかった、淡い想いを実らせたプリムヴェールがうらやましい。


「白……君、もバチェロレッテを開催したらどうかな? 大切な妹だからね、僕からも援助は惜しまないよ」


 思わず白雪の名前を呼びかけ、プリムヴェールにじっとりと見詰められながらも忍はそう提案した。
 もう分かってはいたけれど、直接『妹』だと突き付けられて返事に迷った白雪は、拗らせた悪夢を思い出す。



 おとぎ話のように王子様(お兄様)が、白雪を迎えにくる物語。


 決して現実になることはない、苦しいだけの夢を──



「……わたしにも、現れるかしら」


 ぽとりと零したのは、忍しか見えていなかった白雪の弱音だった。


 いま寄り添い合う二人のように、白雪にも希望はあるのだろうか?
 願ったら、手にすることはできるだろうか?


「僕でさえ見つけたんだ、君にも出会えるよ。……必ずね」


 忍に肯定されて感傷はあるけれど、不思議と嫌ではない。
 いつも背中を押してくれる大好きなお兄様。いつか、白雪も胸を張って『大切な兄』だと言える日が来れば良い。



「お兄様がそうおっしゃるのなら……わたしもするっ! そのバチェロレッテで、『運命』の相手を見つけてみせるわ」


 泣かないように気丈に振る舞いながら、白雪はゆっくりと立ち上がった。



「私からも、一言いいかしら?」


 先ほどまで見守っていたプリムヴェールから何を言われるのかと身構えた白雪だったが、


「この人と決めたのなら──絶対に逃してはダメよ」


 真剣な声音が聞こえて、深く頷く。
 忍のことを除けば、白雪はプリムヴェールと仲良くなれる気がした。



 呪いのように心を閉ざしていたけれど、運命の相手を見つけて幸せになったお兄様。


 次は──わたしの物語。



 to be continued...



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プリムちゃんましろさんのシムさんで今回登場する許可をいただいております。出演のご承諾、ありがとうございました!



〇おまけ


撮影後のプリムちゃんが忍の一言ごとに「妬む」。
何回目か忘れましたが、これは6回目ぐらいだったかな?


バチェラーが終わっても相変わらず嫉妬深くも可愛いプリムちゃん。
忍もプリムちゃんが「妬む」のあとに安心させるためか誘惑したりキスしたりしてました。
いつまでも末永く爆発していただきたいと思います。



そして、トレーネのプロローグの方も本編より先に公開する予定です。
文章は既にできており、SSを撮って挿入・それに伴う添削が終わり次第となりますのでもう少しお待ちいただけますと幸いです。


顔合わせも一名ずつ記事にしますが、まとめてからの更新とさせていただきます(鋭意製作中)。


本編は順調にいけば12月の頭から更新していけたら良いなと諸々の準備を進めておりますので、こちらも今暫くお待ち下さいませ!



ここまでお読みいただきありがとうございました。